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ブクハンvol.3アフターレポート01

2021年12月5日(日)ブックハンターセンダイvol.3が無事終了しました。

ご来場いただいたみなさま、お買い物代行をご利用いただいたみなさま、作品を出展いただいたみなさま、架空の図書室に本の情報をお寄せいただいたみなさま、また、イベントを気にかけてくださったみなさま、どうもありがとうございました。

おかげさまで、なごやかに、会を終えることができました。

 

ブックハンターセンダイ(以下、ブクハン)は、2019年、作家さんたちによる直接出展販売と、一箱古本市、宮城のアーティストと言葉のコラボレーションの3本柱で始めました。

宮城に住んでいる『本を好きな人たちが集まる場』『自主制作本を広める場所作り』『文芸と他アート分野の交流・化学変化が起きるような場所作り』を意図していました。

 

2020年、奇数アトリエ(仙台AERにて奇数月に開催される宮城のアート作家による展示販売)さんとのコラボレーション開催の予定でしたが、COVID-19の感染拡大防止のため、ブクハンはリアル開催を中止し、web開催へ。

 

2021年、できる範囲でできることをやりたい。小さな町の小さな楽しみを守りたい。

根っこはそういう思いから、『インディーズブックバザール』として作家さんの本を委託としてお預かりし、販売する形としました。

 


インディーズブックバザール


北は北海道、西は福岡。日本の色々なところから、23名の作家さんが、合計59タイトルの本を預けてくださいました。

文芸書、エッセイ、コミック、手製本、絵本など、バラエティに富んだ内容でした。

会場内を何度もぐるぐると回りながら、見本品をじっくりご覧になって本を選ぶご様子でした。

 

(推定)20〜70歳代まで、男女どちらが多いということもなく、SNSで見ていてくださったという方、市内の書店・古書店でDMを手にしてくださったという方など、お越しいただきました。

 

こうした自主制作本を初めて手にするという方もいらっしゃいました。

たまたま建物内の『水玉カフェ』さんにお越しになっていた方がお寄りくださったり。

また、町の書店さんに置かせていただいたDMを頼りに足を運んでくださったり。

普段、SNSを使わない方々への『インディーズブック、はじめまして』の窓口のひとつになれたのなら嬉しいです。

 

 

「次は出展してみたい」「こうしたイベントは毎年やっているんですか」とお声がけいただき、興味を持っていただけて、少しずつ宮城になじんでゆきたいなあと思いました。

 

出展者の方からお寄せいただいたフリーペーパーや名刺も、色々な紙のサイズや種類があり、紙好きの方に喜ばれました。

 

笑顔で帰られる方が多かったのも印象的でした。
本当に本を好きな方が来てくださったんだなあと嬉しいかぎりです。
また、会場であるギャラリーチフリグリが持っている愉快な場の力も大きかったと思います。

 

オーナーのいのうえ佳代子さんの、人と人を出会わせる力・人を愉快にさせてしまう力にたいへん助けられました。

 

運営メンバーのひとりが用意した『えきひがしマップ』をもとに、仙台駅東を実際に散策する方や、「やっぱり買おうか迷っている本がある」とまた会場に戻ってきてくれる方もいらっしゃり、健脚やそのブックハンターぶりに驚きつつ、内心小躍りいたしました。

ポスターやポップ掲示も、作家さんの個性が出ていておもしろく、会場がにぎやかになりました。

「おや、これは?」とご来場の方の目を引くきっかけになってくれたのじゃないかなと思います。

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出展作家(順不同・敬称略)

インドの仕立て屋さん | 水谷なっぱ | e※ | 夜光虫のランプ | へにゃらぽっちぽー | 彩透ゆうり | mari | 月食堂 | 酔庫堂 | 日本ごうがふかいな協会 | 望月さみ | 久慈川栞 | samidare | 川原希心 | 月守悠 | 虚空100万マイル | ミルフィーユ | 要崎紫月 | ピピのアトリエ*猫妖精舎 | ヨモツヘグイニナ | 幻ノ月音 | 猫宮ゆり | SENA 


ティンパニ席


作り手にとって、作った本を、直接読み手の方に見てもらう機会は、貴重です。

作る際の意図を伝えることもできますし、お客様の反応を知って、その場のやりとりから得られる力は大きいと思います。

また、読み手の方にとっても、『本をつくる』ことをより身近に感じられる機会になるだろうと思います。

 

そこで、今回のインディーズブックバザールでは、安全を考慮しつつ、『宮城県在住作家』に限り、1名ずつ、60分間限定の直販売『ティンパニ席』を設けました。

 

直接作家さんにブースを設営いただくと、それぞれの世界観がはっきりと打ち出され、作っている本の雰囲気も伝わりやすかったと思います。

つくりあげられたブースごと、ご来場の方に鑑賞いただけました。

 

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ティンパニ席出展作家

 

・mari(晴耕雨読)

・ピピのアトリエ*猫妖精舎

 

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ティンパニは会場であるチフリグリさんの備品です。

蓋をした状態での使用をお許しいただきました。
ティンパニのあるギャラリー!

すてきにおもしろいですよね。


ブクハン図書室


『本を好きな人たちで作る架空の図書室』ということで、

2020年のウェブ開催時、おすすめの本の情報を募集し、それを書誌情報カードとして保管する図書室をsns上で配信しました。

今回、同様に、募集した本の情報をまとめてsnsで配信するとともに、リアル会場にもミニ展示を行いました。

じっくりと展示された書誌情報カードをご覧いただき、

「販売物だけではなくて、こうして見られるものもあるのがいいですね」という声もいただきました。


お寄せいただいた感想から

「寒い中、運営お疲れさまでした。作品の値札(タグ?)が統一されていて、美術館にいるような感覚で、ゆっくり作品と向き合うことができました。

ティンパニ席も作家の方とお話しできてよかったです。

ブクハン図書室もカラフルで新たな本との出会いがありました。

こうして実物を手に取る機会をつくってくださり、本当にありがとうございました。

来年、再来年と長く続くイベントであってほしいです。本日はありがとうございました」

 

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「去年もその前もほとんどスルーしてしまったのですが、今年はわずかながらですがブクハン図書室と通販?で参加できて楽しかったです。

来年も現地へ行くのは(コロナ関係なく個人的な事情で)難しい可能性が高いですが、何かしら参加できるものがあれば参加したいですし応援しております! このたびは楽しいイベントをありがとうございました」


どういうわけか、毎年開催方法がちがうイベントになっております。

2022年、どういう形にするか、いつ開催するか、この年末年始での様子をよく観察した上で考えたいと思います。

ただ、宮城に、こうした自主制作本をつくっている作家さんたちの、人とつながれる場であったり、来場した方も「何かを作ってみよう」と思えるきっかけとなる場であったり、小さい楽しみを暮らしのなかに灯してゆけるよう、何らかの形での活動をつづけたいです。

どうぞ今後とも、ブックハンターセンダイをよろしくお願いいたします!

 


◆おまけ◆運営メンバーの感想から……

 

 

・インディーズブックを初めて手に取るという方が複数名いました。当初目指していた「まだ知らない人に自主制作の本を届ける」瞬間に立ち会えました。仙台駅から会場まで手作りブックマップでお散歩してくれる方がいて嬉しかったです。

 

・買い物傾向、ZINEっぽい本や造本の凝った本が早い段階からよく売れたように思います。今回、エッセイ・ノンフィクション的な本の出品が少なかったのも関係しているのかもしれません。ポスター・ポップ効果もかなりあったと思います。ポスターも表紙を印刷しただけではなく、しっかり内容やあらすじを書いたほうが足を止めてもらえるみたいです。見本誌だけでも帯を付けるとか、ひと工夫が売上に影響しますね。

・町に暮らす人のやっているイベントに、町の人が来てくれて、作品ではあるけれど、遠くの町に住む人と出会う場所になれたかなあと思います。作家さんや通販のお客様も含めて、人っぽさのあるつながりをつくってゆけたらいいなと思いました。