2023年もブックハンターセンダイを開催します。
今年で5回目。
1回目を始める前に、「まず3回まではやろう、3回できたら5回まではやろう……」と目標にした数です。
そんな5回目にあたり、ブックハンターセンダイ(以下、ブクハン)を振り返りたいと思います。
どうぞおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
ブクハンのはじまり
発起人がイメージしていたのは、青空のもとに人が行き来するような、風通しのいいにぎやかな場。
「6月の仙台は本の月」として2008年から毎年仙台市内で開催されていたBook!Book!Sendai というイベントがありました。
一箱古本市や製本のワークショップ、本にまつわるトークなど、本好きのためのイベント。
ブクハン発起人も一箱古本市に遊びに行ったり、そのうち一箱に出店したり、製本のワークショップにも参加したり、毎年の6月を楽しみにしていました。本を通した色々な催しがあることがとてもうれしかった。
これは発起人の個人的な話なんですけれど、まあそういう個人的な思いで始めた企画がブクハンなので、ちょっとお話しさせてください。
もともと宮城にあまりいい思い出もなく、高校卒業後県外に飛んだ発起人が家庭の事情で10年後ほどに帰郷したのですが、そこで宮城に愛着をもつきっかけになったのが、Book!Book!Sendaiなのでした。
本を通して、たくさんの人が集まって交流する楽しい場。
そういう場所が、自分の暮らす近くにある。
それが大きな助けになったんですね。
たいへん残念ながら、Book!Book!Sendaiは表立つ活動を今はされていないのですが、「6月の仙台は本の月」の記憶は強く濃く残りました。
ブクハンの原風景といいますか、それはあの青空の、風の吹く町なかの、一箱古本市なのです。
発起人は根が教室の隅の机で狸寝入りしていたい方なので、自分からなにか事を起こすタイプではありません。
あわよくば、誰かが仙台で文芸本の展示販売イベントを企画してくれたら参加したいなあと思っていました。数年間そう思っていました。でも、なんでか誰も企画してくれなかったんですね。
だから、そういう場がほしいなら、自分でやれる範囲でやってみるしかないなと、ブクハンを作り始めました。
だからすみません、ほんと、普段まったくイベント関連の仕事などしていない、そのへんの町民がやっているので、たいしたことはできません。関わるみなさんに助けていただいています。
最初ブクハンを始めてみるにあたっても、Book!Book!Sendaiを運営されていた武田こうじさんや、街のイベントに詳しい方に相談させてもらったりして、どんなことなら実際できるだろうかと模索しました。
そうして手探りで身近なところから始めたのがブクハンです。
Vol.1 (2019年)
◆プレイベント『手製本をつくる体験会』
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開催日時:2019年6月2日
開催場所:ギャラリーチフリグリ
これはブクハンの広報を目的に開催しました。なにせVol.1です、まったく誰にも知られていない状態ですので、どうやって人を集めようかと考えました。
この企画のおかげで、のちのイベントでボランティアとして助けてくれる方や、翌年以降運営メンバーとして仲間になってくれる方に出会えました。
◆ブックハンターセンダイvol.1
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開催日:2019年9月8日
開催場所:1to2BLDG.(仙台市青葉区片平)
開催内容:インディーズブックバザール、一箱古本市、宮城在住アート作家と文芸のコラボ展示、歩いてつくる小さな物語ワークショップ、書店・ボタンさんの特別出張
インディーズブックバザール、宮城在住アート作家さんとのコラボ、一箱古本市を柱に行いました。花京院にある書店・ボタンさんにも特別出張いただく初回にしてスペシャルな形。
当日は、開催ビルの他のイベントと重なったり、定禅寺ジャズフェスティバルから流れてきた方がいたり、思いもよらず、かなりたくさんの方々にご来場いただきました。
諸事情により、全体を把握している主催が1名のみとなって、てんてこまいでしたが、ほがらかで頼もしいボランティアさんたちに助けていただいて、にぎやかに会を終了。
ただ、会場内の写真撮影に関するトラブルなどがあり、出展者の方には大変なご迷惑をお掛けしてしまいました。
常に、なにごとも完璧には遠く、都度みなさんのお知恵を借り、方法を学び、チャレンジを続けようという思いは、今も同じです。
Vol.2 (2020年)
本来は、奇数アトリエさんから、仙台駅すぐ近くのAERでイベントコラボしませんかと誘っていただいていた、2回目にしてビッグな2回目だったのですが……
COVID-19の感染が海を越えてどんどんと広がってきまして、ぎりぎりまで、感染対策を講じた上での対面イベントも探りましたが、最終的にブクハンとしては出展者さま・来場者さま・メンバーのリスクを考え、対面イベント中止と判断しました。
その間、代替としてのwebイベントについても準備して、『ブクハンプチ』として開催しました。
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開催日:2020年9月11-13日
開催内容:インディーズブックバザール、ブクハン図書室、架空読書会、575言葉遊び、書を持って町へ出よう
メンバーでアイデアを話し合い、企画を立てました。
今もつづいている『ブクハン図書室』はこの時生まれたものです。みなさんからおすすめの本の情報をお寄せいただいて、書誌情報カードとしてまとめ、SNSで発表するというもの。
『架空読書会』は、実在しない架空の本のタイトルから募集し、それについてありもしない感想を語り合うというもの。
『575言葉遊び』では診断メーカーをつかってランダムな575をみなさんにつくっていただきました。
『書を持って、町へ出よう』では、宮城ゆかりの本を運営メンバーがご紹介。
そしてこのコロナ禍におけるWeb企画の全体を、仙台市市民文化事業団の助成をいただいて、本として残しました。
Webで色々やりましたが、やっぱり、本が好きです。
表紙:カラー/モノクロ
本文:カラー 38ページ
表紙メインビジュアル:nor.
限定200部発行・非売品
Vol.3 (2021年)
おさまることのない疫病。それでも対策を講じながら何かどうにかできないか。
ということで、第一回目からお世話になっている、ギャラリーチフリグリさんをお借りして、インディーズブックの委託展示販売会を行うことに決めました。
どうにも主催のしつこい思いで、作家さんと読み手の方との交流も図りたく、この時は『宮城在住作家60分限定・直販売』を会場の片隅で行いました。
作家さんには、好きなように本をつくる楽しみ、好きなようにブースをつくって展示する楽しみ、作ったものをあれこれと人と話す機会があったらいいと思いますし、読み手さんには、どんな人がどんな考えや気持ちでその本をつくったのかを知る機会っていうものがあったらいいなと、主催はそんな考えです。
本の展示販売会には色々な思いや形があって、それぞれ参加したいものはちがうと思いますし、だからこそ多様な企画が方々にあればいいと思います。本を介した交流・そこから生まれる創作の種みたいなものが、ブクハンの思いです。
ということもあり、壁に出展者さんが作ってくれたそれぞれのポスターを飾りました。作者さんが直接会場に来られない分、来場者の方になんらか語りかけるツールがほしいと思ったのです。
また、感染対策上外出できない方や遠方の方にもお楽しみいただけるよう、インディーズブックのウェブ通販も行いました。
2021年からブクハン図書室・リアル会場での展示も始まりました。ご来場の方にはこれもご好評いただいています。
◆Vol.3
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開催日:2021年12月5日
会場:ギャラリーチフリグリ(仙台市宮城野区五輪)
開催内容:インディーズブックバザール(委託、宮城在住作家の時間限定直販売)ブクハン図書室、出展作家のフリーペーパーコーナー、仙台えきひがしルートマップ配布
(2021年から開催月が12月になったのは、夏から秋にかけて多発する仙台のイベントのおさまった頃だからです。いやー、遊びにでかけやすい時期の仙台のイベントの多さにはびっくりします)
Vol.4 (2022年)
2022年は同じくギャラリーチフリグリで委託展示販売会を行いました。
チフリグリ、12月……ということで、前年にも遊びにきてくれた方がまた来てくださって、少しずつブクハンが町に馴染めそうかなという気配を感じられました。
企画内容はほぼVol.3を踏襲しました。
少しでも多くの方にきてもらいたくて、2日間開催に。
強化したことは、インディーズブックバザールでの宮城在住作家の直接出展を、時間限定ではなく会期を通して固定にしたことです。
日替わりで募集しようかとも考えましたが、片方だけにすることでの来場者数の挙動サンプルもなかったので、両日としました。
結果、委託販売も作家さんの直販売も、来場者の方達が大変楽しんでくださっている様子が見てとれ、よかったなあと思いました。
◆Vol.4
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開催日:2022年12月3-4日
場所:ギャラリーチフリグリ
開催内容:インディーズブックバザール(委託、直販売)、ブクハン図書室展示、出展作家フリーペーパーコーナー、寶栞(好きな本に好きを伝える栞)、仙台えきひがしルートマップ配布、来場感謝バッチ配布(数量限定・先着順)
Vol.5(2023年)
そして2023年です。
また12月、ギャラリーチフリグリでイベント開催します!
仙台市内もイベントの活気が戻ってきました。
ブクハンも新たなチャレンジをしていきたいと思います。
詳細はまた近々、後日に。
どうぞよろしくお願いいたします!